自宅で大きな音の出る趣味や仕事をするには、防音室を設置するなどして、家族や近所の方の騒音にならないよう工夫する必要があります。
しかし防音室は、本格的な工事を行う場合は250万円を超えることも多く、組み立て型の簡易防音室でも、数十万円はかかることが一般的です。そのため、すぐには手を出せず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そもそも自宅用の安い防音室で大きな音を防げるのかを解説し、個人でも購入できるおすすめの簡易防音室を紹介していきます。
軽くて設置しやすく、
自宅に最適な半個室ブース!
Web会議や趣味に最適な簡易防音室を、より安価に導入してみませんか?
要サイズやデザイン・細かい仕様はカスタマイズも可能です!
目次
そもそも、自宅用の簡易防音室は本当に効果があるのか?
自宅に防音室を設置して、本当に効果があるのか気になる方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、防音室の性能と利用目的がマッチしていれば、十分な防音効果が期待できます。
音の大きさはdB(デシベル)という単位で表現されますが「発する音のdB」-「防音室によって軽減できるdB」を計算すれば、音漏れ防止の効果をある程度予測できます。
例えば、ヴァイオリンを演奏した際に生じる音の大きさは90dB程度。それに対して、人間の小さなささやき声の大きさは30dB程度とされています。そのため、音を60dB以上軽減できれば、ヴァイオリンを演奏しても近所迷惑にはなりにくいと考えられるのです。
鉄骨造の家の場合、壁自体が30dB程度の防音性能を持っています(※)。そのため別途用意した防音室で音を30dB以上軽減できれば、ある程度ヴァイオリンを演奏できる環境が作れるでしょう。
※参考:壁の種類と防音性能|アン・ノイズ
以下は平均約-25dBの防音性能がある「OTODASUⅡ」という製品を使った時の様子です。この数値でどれほどの効果があるのか、1つの参考にしてみてください。
※楽器から出る音は人間が出す音に比べて高音になりやすく、不快に感じられる可能性もあります。そういったことも踏まえると、音の高さを考慮し設計された製品を選んだり、音をより軽減できる製品を選んだりする必要があるでしょう。
音の大きさの目安をまとめたので、参考にしてみてください。
120dB | ・オペラ歌手 ・ライブハウス |
110dB | ・アルトサックス ・金管楽器 |
100dB | ・ファゴット ・ハープ ・吹奏楽(20mの距離) |
90dB | ・フルート ・ヴァイオリン |
80dB | ・かなり大きな声を出す ・ピアノ ・地下鉄の車内 |
70dB | ・騒々しい事務所の中 ・セミの鳴き声(2mの距離) |
60dB | ・洗濯機の音(1mの距離) ・掃除機の音(1mの距離) ・テレビの音(1mの距離) |
50dB | ・静かな事務所の音 ・換気扇の音(1mの距離) |
40dB | ・図書館の音 ・静かな住宅地(昼)の音 |
30dB | ・小さなささやき声 |
参考2:楽器の音の大きさ
参考3:騒音の大きさの目安
「Web会議に利用したい」「周囲の雑音を防ぎたい」場合は、そこまで高性能でなくてもOK
ここまでは、中の音を外に漏らしたくない場合のお話しをしてきました。しかし人によっては「Web会議で簡易的な防音室が必要」「周囲の雑音や生活音を遮り、作業や趣味に没頭したい」という方もいるでしょう。
音が小さい作業をする場合や、外から入ってくる音を防ぎたい場合は、そこまで性能を考慮する必要はありません。
普通の声で会話をした場合の大きさは60dB程度。これを50dBまで落とすことができれば、静かな事務所と同じような雑音レベルになります。この程度なら仕事や勉強に集中できる方も多いのではないでしょうか。
逆にこれ以上音を防ぎたいのであれば、100万円程度かかる本格的な防音室を導入しなければならず、コストパフォーマンスが悪くなります。また完全に密閉された空間だと逆に集中しづらい、換気が難しいといった問題が発生する可能性も考えられます。
自宅用の簡易防音室の費用相場
自宅用の簡易防音室は、20万~30万円で購入できるものが多いでしょう。
中には10万円などの比較的安い製品もありますが、金額だけではなく、目的にマッチした性能があるかどうかを確認するようにしてみてください。
防音室選びの際は、以下のような項目をチェックするのがおすすめです。
- 金額
- 防音効果(前述のdB計算を元に)
- 大きさ(楽器や機材などを入れて快適に過ごせるか)
- コンセントの有無
- 空調機能
- 消防法への対応(※)
※消防法とは、火災の予防や火災発生時の被害を軽減するための法律のことです。完全個室の防音室は1つの「部屋」と捉えられるので、消防法に抵触しないよう設備や申請などが必要になる可能性もあります。購入前に、問い合わせて確認するようにしましょう。
より簡易的で安い、自宅用防音室のおすすめ2選
まずは「仕事や勉強・読書などをするために、外から入ってくる音を防ぎたい」「少しでも中から外に出ていく音を防ぎたい」という方に、おすすめの簡易防音室を紹介していきます。中から外に出ていく音を防ぐ効果もありますが、
- おもいっきり集中空間
- Easy Wall
①おもいっきり集中空間
価格 | 298,000円(税込み327,800円) |
サイズ | 幅1317×奥行1039×高さ1834mm |
重さ | 約30kg |
コンセント | 1口 |
USBポート | 1口 |
会社 | 株式会社アドライズ |
おもいっきり集中空間は「セキソーボード」という抜群に軽く、かつ防音効果のある紙製の強化パネルで作られた半個室ブースです。
素材にセキソーボードが採用されているため、一般的な半個室のブースよりも高い防音効果が期待できるでしょう。また軽量なため、その他の防音室やブースと比べて、より簡単に導入することができます。設置工事や組み立て依頼なども不要で、比較的安く設置できる点がメリットです。
防音効果の実験では、56dB(デシベル)程度の環境音を46dBまで落とせたことを確認しています。
56dB | 掃除機から数m離れた場所で聞こえる音と同じ程度 |
46dB | かなり静かな事務所の音と同じ程度 |
軽くて設置しやすく、
自宅に最適な半個室ブース!
Web会議や趣味に最適な簡易防音室を、より安価に導入してみませんか?
要サイズやデザイン・細かい仕様はカスタマイズも可能です!
②Easy Wall
価格 | 64,900円 |
サイズ | 幅900×高さ1500mm |
重さ | 3.5kg(パネル1枚につき) |
素材 | 再生ポリエステル88%ポリプロピレン12%ダンボール |
カラー | グレー |
会社 | アイピック株式会社 |
厳密には防音室ではありませんが、画像のようにパーテーションでデスクを囲むことで、簡易的な半個室を作ることができます。
Easy Wallは通常のパーテーションとは異なり吸音素材が使用されているため、ある程度音を軽減することが可能です。
楽器練習やカラオケなどに利用できる、おすすめ防音室6選
楽器の練習やカラオケなどを行うのであれば、前述の通り性能が高い製品を検討する必要があります。
ここでは歌や演奏に適した、防音性の高い簡易防音室をご紹介していきます。
- サイレントデザイン
- 宮地楽器 VERYQ HQP
- 島村楽器otodasu Ⅱ
- だんぼっち
- おてがるーむ
- YAMAHAアビテックス
①サイレントデザイン
価格 | 298,800円 |
サイズ | 幅919×奥行919×高さ1822mm |
コンセント | 2口 |
USBポート | 要問い合わせ |
空調機能 | 換気扇 |
防音効果(目安) | -30dB程度 |
会社 | サイレントデザイン |
※防音効果はあくまで目安です。詳細はお問い合わせください。
音楽演奏に特化して設計されたサイレントデザインの防音室は、高い防音性を持ちます。遮音性能は「30dBタイプ」「35dBタイプ」の2つがあるので、目的に合わせて選んでみてください。
重厚で耐久性の高い強固なパネルを使い、身体に害の少ないホルムアルデヒド低減素材を採用しています。
②宮地楽器 VERYQ HQP960
価格 | 264,000円(目安) |
サイズ | 幅960×奥行2050×高さ960mm |
コンセント | 要問い合わせ |
USBポート | 要問い合わせ |
空調機能 | 要問い合わせ |
防音効果(目安) | 要問い合わせ |
会社 | 株式会社宮地商会 |
元々は簡易アナブースとして開発されたVERY-Q。吸音性が非常に高く、プロも利用する程の高いクオリティが特徴です。
製造はすべて日本製にこだわっており、工具不要で組み立てることができます。
③島村楽器otodasu Ⅱ
価格 | 135,300円 |
サイズ | 幅1240×奥行1340×高さ1917mm |
コンセント | 要問い合わせ |
USBポート | 要問い合わせ |
空調機能 | 天井に換気口 |
防音効果(目安) | 側面-23.2dB、正面-20.2dB、背面-21.7dB |
会社 | 島村楽器株式会社 |
軽量で、パーツを順番につなぎ合わせるだけで組み立てられます。またニーズに応じて、吸音材などを使って室内の音場(響き方)をカスタマイズすることも可能です。
④だんぼっち
価格 | 83,500円 |
サイズ | 幅800×奥行1100×高さ1640mm |
コンセント | 要問い合わせ |
USBポート | 要問い合わせ |
空調機能 | 天井に換気口 |
防音効果(目安) | 90dBの音を、平均約60dBまで減衰 |
会社 | 神田産業株式会社 |
声(中〜高音)に対する防音性を高め、ライブ配信やレコーディングなどに適した設計となっています。
軽量で高い強度のあるダンボール製で、完成後も吸音材や換気ファンなどの設備を追加カスタマイズできます。
⑤おてがるーむ
価格 | 198,000円 |
サイズ | 幅815×奥行1110×高さ1880mm |
コンセント | 要問い合わせ |
USBポート | 要問い合わせ |
空調機能 | 天井に換気口 |
防音効果(目安) | 500Hz・80dBの音を、平均最大-27dB |
会社 | 株式会社ピアリビング |
連続気泡体の構造のフェノール樹脂吸音材を採用し、音漏れを防ぎます。この特殊素材は空気を通しづらく、周波数を均一の力でしっかりキャッチするため、従来は防音が難しかった中低音域の音を効果的に吸音できます。
⑥YAMAHAアビテックス AMDB08H
価格 | 770,000円 |
サイズ | 幅1002×奥行1443×高さ2069mm |
コンセント | 2口 |
USBポート | 要問い合わせ |
空調機能 | 換気扇 |
防音効果(目安) | -35dB程度(要問い合わせ) |
会社 | ヤマハ株式会社 |
歌やクラリネットなど、立って演奏する楽器の練習に最適なコンパクトタイプの防音室です。
空気伝搬だけでなく、床・壁・天井などの振動を抑える独自の技術により、優れた遮音性能を実現しました。
防音室を格安で済ませたい場合はDIY(自作)という手もあるが…
ここまで既製品による簡易防音室をご紹介しましたが、さらに安い費用に抑えたいならDIY(自作)という方法もあります。
ホームセンターやAmazon・100円均一などを活用すれば、できるだけ費用を安く抑えられるでしょう。自分好みにカスタマイズできる点もメリットです。
ただし難易度が高いため、日頃DIYをしない方にはおすすめできません。材料を買い間違えて思いのほか高くついたり、十分な性能のある防音室が作れなかったりする可能性もあるからです。
それでも自作を試してみたいという方は、こちらの動画を参考にしてみてください。
▼メタルラックを使って防音ブースを自作する方法
▼100円ショップのアイテムで、簡易的な録音ブースを自作する方法
軽くて設置しやすく、
自宅に最適な半個室ブース!
Web会議や趣味に最適な簡易防音室を、より安価に導入してみませんか?
要サイズやデザイン・細かい仕様はカスタマイズも可能です!